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庭とともに暮らし、緑をまちへつなぐ

庭園レジデンス

都市の更新が進む敷地で、旧宅の庭園を継承し、その緑とともに暮らす14戸の賃貸集合住宅を計画した。故郷の自然が失われていくことを憂いた施主の思いを出発点に、庭園を保存しながら、新たな住環境をつくり次世代に継承することを目指している。
建物は庭園に寄り添うように配置し、駐車場を敷地の外縁部に分散させることで、庭と住まいが連続する落ち着いた環境をつくった。共用廊下や階段、エレベーターホールを半屋外の動線としてつなぎ、日々の行き来の中にも庭の気配を取り込む。庭に面した奥行き3mのバルコニーでは、階を上がるごとに中木から高木、梢へと視線が移り、緑との距離感が変化する。
住戸は日本の伝統的な田の字平面を手がかりに、連装引戸によって三つの間をつなぐ2LDKとした。引戸を開けば庭に向かって広がるひと続きの空間となり、閉じればそれぞれの個室として使える。単身者から家族まで、暮らし方の変化を受け止める可変性を備えながら、共用部側の高窓によってすべての住戸に二方向の採光と通風を確保している。
夜には、バルコニーの隔壁に組み込んだ照明が深い軒をやわらかく照らし、建築と光が一体となった表情を生む。1階には入居者の応接の場にもなるコミュニティカフェを計画。庭園も、専門家や地域と連携しながら育んでいく「まちにわ」として構想している。受け継がれた庭を住まいの中心に据え、緑と暮らし、そしてまちの新しい関係をつくる建築である。

Purpose / 集合住宅 Site / 福岡市博多区麦野 Year / 2026 Photo / ​Y. Harigane

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